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1番明王院 2番浄妙寺 札所1番の明王院からは、金沢街道に出て右へ歩くと浄明寺駐車場がある。そこを右に曲がると突き当りが浄妙寺。 約13分ほどの道のりである。 |
浄妙寺は臨済宗建長寺派の寺で、鎌倉五山第5位の寺格をもつ名刹であり、それなりの風格がある。
ここの住居表示は「浄明寺」になっている。”妙”ではなく”明”にしたのは、浄妙寺が格式高い寺だからだそうだ。
文治4年(1188)の創建で、足利義兼が源義康の菩提を弔うために建立したとされる。
開山は退耕行勇(たいこうぎょうゆう)である。
浄妙寺略記によると、創建当時は真言宗の寺で極楽寺と称したという。
後の正嘉年間(1257〜59)に建長寺開山の蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)の弟子月峯了然(げっぽうりょうねん)が住持となり禅宗に改宗し、寺名を浄妙寺に改称したとある。
至徳3年(1386)、足利義満が五山の制を定めた頃は七堂伽藍が整い、二十三院の塔頭を数える大寺院であったという。
火災などで漸次衰退し、現在では総門、本堂、客殿、庫裏で伽藍を形成している。
金沢街道沿いに浄明寺駐車場がありそこから参道が続いている。
参道は100mほどの緩やかなのぼりで、両側から桜の古木が参道を覆っている。
数段の石段をのぼると山門があり、右手には「稲荷山浄妙禅寺」と刻まれた石標が立っている。
山門を入った左手の拝観受付で拝観料を払い、納経帳を預ける。
その先は完璧なまでに刈り揃えられた庭木の中を真直ぐに石畳が本堂まで続いている。
途中、8段ほどの石段があり、本堂は段の上に建っている。
本堂
浄妙寺の本堂は、間口八間、奥行六間の堂々とした建物で、床が高くないので、どっしりとした感じを受ける。
堂宇は宝暦6年(1756)に再建されているとのことだ。当初は茅葺だったそうだが、今は銅版葺に葺き替えられている。
寄棟造りの屋根は、膨らむような形状をしているが、このような造りを起り(むくり)という。
茅葺だった頃を想像すると、より大きく見えたのではないかと思うが、現在の方がすっきりした屋根だが、大きな躯体にマッチして美しく見える。向拝を付してないので余計にそう見えるのかも知れない。
軒下中央に鎌倉九番のご詠歌額が掛けてあった。
堂内は広そうで、覗いても仏様の顔が見えなかった。
中央の室中と両脇に上間,下間、中央奥に仏間と両脇が書院という6間に仕切られてあった。
仏間には、鎌倉十三仏霊場の本尊でもある釈迦如来、鎌倉観音霊場 第9番の札所本尊 聖観世音菩薩が祀られている。
喜泉庵
本堂の左側の木立を抜けると、枯山水の庭園が広がり、抹茶がいただける茶室「喜泉庵」がある。
こちらは平成3年に復興したものだそうだ。
公式サイト:■■■ 喜泉庵 ■■■
また、本堂裏の墓地には足利貞氏の墓といわれる宝篋印塔があり、報国寺までも眺められる見晴台もある。
見晴台とカフェレストラン
本堂左手から墓地へ通じているが、更に左へ分かれると、山へ上る道が続いている。
右へ上れば見晴台があり、紅葉の時期は最高の眺めである。
見晴台から右手を見ると洋館が建っているのが見える。
こちらは石窯で焼くパンを提供するカフェ・レストランの「石窯ガーデンテラス」。
90年程前の元貴族議員の屋敷を改装してオープンしたというお寺の中の珍しいレストランだ。
テラス席の前に広がるイングリッシュガーデンを見て回るのも楽しい。
自分はクグロフという赤ワイン風味のパンが好きだ。
浄妙寺周辺には食事処も多くないので、ここでのランチがお奨めである。
石窯ガーデンテラス
営業時間 10:00〜17:00
定休日 月曜日(祝祭日の場合は翌日)・年末年始
公式サイト : 石窯ガーデンテラス
朱印所は拝観受付。入るときに預け、出る時に受取るとよい。
創建:文治4年(1188)開基:足利義兼 開山:
退耕行勇
鎌倉五山 第五位
拝観:9:00〜16:00 拝観料:100円
駐車場:金沢街道に面して有料駐車場有。 1時間500円
石窯ガーデンテラス利用で割引有り。