|
本堂前にたたずむ一人旅のおじさん |
2番浄妙寺 8番報国寺 札所2番浄妙寺からは徒歩で5分程度。 浄妙寺の参道を出て右へ、報国寺入口の信号を左に折れると参道の坂道が現れる。 |
報国寺は竹の寺として親しまれている禅宗の寺で、臨済宗建長寺派に属している。
金沢街道から滑川を渡り、緩やかな坂道を100m程行くと小さな山門がある。
功臣山と書かれた扁額が掛かる山門を入ると、石を敷き詰めた参道が更に続く。
参道は木が覆い茂り、暗さを感ずるほどだ。
その先に石段があり、のぼった突当りが本堂で、本尊の釈迦如来と札所本尊の聖観世音菩薩が祀られている。
かつては本堂に上がり中庭を拝見できたのだが、今拝観できるのは竹の庭だけだ。
報国寺は建武元年(1334)足利尊氏の祖父である家時の草創と伝えられる。
寺は明治の火災や関東大震災に遭い、現在の堂宇は昭和期のものだそうだ。
本尊の釈迦如来像は鎌倉時代の代表作といわれ、鎌倉市重要文化財に指定されている。
本堂裏側に広がる孟宗竹の竹林は、京都嵯峨野程ではないが、独特の風情を持った竹林で、整備の行き届いた竹の庭を散策できるようになっている。
せっかくなので、竹の庭に入り、サラサラという竹の葉の音を聞きながら、茶処で抹茶をいただくことにした。
通路付近の竹に、相合傘などのくだらん落書き(というか硬いもので彫った)を見ると何か悲しくなる。きっと罰が当たって破局するに違いない。
報国寺やぐら
竹林の奥にはやぐらがあり、報国寺草創にまつわる家時や足利家滅亡に関わる一族(足利特氏の子義久)の墓だという。
五輪塔群
本堂左手にある萱葺きの鐘楼脇には大きな五輪塔があり、その周囲には100基くらいの小さな五輪塔が囲んでいる。
苔むした五輪塔は禅寺らしい静寂な佇まいを漂わせている。
納経所は竹の庭拝観受付の隣にある。
番号札を渡されるので、竹の庭へ入る前に朱印帳を預け、出る時に受け取るとよい。
創建:建武元年 (1334) 開基:足利家時 開山:天岸慧広(てんがんえこう)
拝観:9:00〜16:00 境内無料、竹の庭 200円
駐車場:山門前と参道左側にある。
山門前はタクシーがいる時が多い。