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4番寿福寺12番極楽寺 鎌倉駅から江ノ電に乗車、極楽寺で下車。改札を出たら前の道を左へ、江ノ電を越して駅の裏側に回れば極楽寺の山門がある。 |
駅に沿ったゆるやかな坂道をのぼると、道は左右にわかれ、右へ曲がると極楽寺坂切通し、左は江ノ電をオーバークロスする桜橋である。橋を渡ると民家風の建物の導地蔵がある。
線路沿いに駅の裏手に行くと、極楽寺の茅葺きの山門の前に出る。
質素だが風格のある山門は、文久3年(1863)に再建されたものだという。
極楽寺は鎌倉で唯一の真言律宗の寺で、創建は正元元年(1259)北条重時を開基とし、開山は良観房忍性である。
山門右側のくぐり戸より境内に入ると、石畳が本堂まで、真直ぐに敷かれている。両側は桜並木になっていて、開花の時期は綺麗であろう。
正面の本堂は間口三間で、屋根は銅板葺で宝珠を乗せ、北条鱗の紋 を二つ付けている。
右側には大師堂、宝物殿が並び、左側には手前に茶屋、その先が客殿と寺務所になっている。
本堂前に大きな槇の木があり、その下に子育地蔵尊が祀られている。
開山の忍性は、桑ケ谷療養所など貧民救済の為の諸施設を造ったり、多くの寺院に住し、道路・橋・伽藍などの修築し慈善事業に尽くしたので、忍性菩薩と呼んで敬われた。
87歳で亡くなられたが、遺骨は極楽寺など六ケ所に分骨され、墓塔が建てられているそうで、人柄が偲ばれる。
歴史について調べてみると、開山当初は約20万坪の寺域を有し、金堂、講堂、塔など七堂伽藍が整い、塔頭49院をもつ大きな寺であったそうだ。
建治元年(1275)の火災で伽藍のすべてが焼失、正和4年(1315)になって十三重塔が、元亨元年(1322)には金堂が建立されている。
その後、隆盛をみたが、室町中期の応永32年(1425)の大火、永享5年(1433)の地震などの被害に遭い、衰退してしまっている。
明歴2年(1656)恵性によって中興され、現在では、文久3年再建の山門のほか、本堂、大師堂、客殿のみの小さな寺となっている。
本尊の釈迦如来立像(国重文)は、京都嵯峨清涼寺の釈迦如来像(国宝)を模刻したものだが、秘仏となっており厨子に安置されて直接拝観はできない。
開扉されるのは4月7〜9日だけで、それ以外は住職でも拝観できないそうだ。
納経は境内左手にある寺務所で受付けている。
創建 : 正元元年(1259) 開基 : 北条重時 開山 : 忍性
拝観 : 9:00〜16:30 拝観無料 宝物館は300円
駐車場 : なし 付近に駐車場はなく、江ノ電長谷駅・稲村ガ崎駅周辺にコインパーキングあり。