諸國放浪紀鎌倉三十三観音霊場
第3番 祇園山 安養院ぎおんざん あんよういん通称:田代観音
正式名称
 
祇園山 安養院 田代寺
宗派
浄土宗
札所本尊
 
千手観世音菩薩
本尊
 
阿弥陀如来
御真言
 
おん ばざら たらま きりく
ご詠歌
 
枯れ木にも 花咲く誓い 田代寺
  世をのぶつなの 跡ぞ久しき
他の霊場
 
坂東三十三観音霊場 第3番
鎌倉二十四地蔵霊場 第24番
所在地
 
鎌倉市大町3-1-22
0467-22-0806
駐車場
  門前に3台
満車の場合、別願寺の手前にあるコインパーキングを利用すると良い。
バス停
京急バス 鎌30・31 名越 徒歩約1分
本堂
道のり
 
13番別願寺 3番安養院14番来迎寺
13番別願寺からは、大町大路を左に進むとすぐにツツジの生垣があり、生垣が終わったところに入口がある。
別願寺から約85m、2分ほどで着く。

参拝記

大株のつつじが植わった石垣に囲まれている。この石垣が終わったところに安養院の入口がある。
山門
「坂東第三番田代観音」と大きく刻まれた標柱が立っている。
坂東三十三観音の札所にもなっているので、今回訪れた中では参拝者の多い札所である。

概要
安養院は浄土宗の寺で、以前は浄土宗名越派の本山であったが、後に京都の知恩院末寺となった。

山門を入ると、境内は緑に覆われ、正面の本堂へ石畳が続いている。 大きな向拝をもつ本堂は、昭和3年(1928)に再建されたもので、向拝には『祇園山』の扁額が掲げられている。

本堂には本尊の阿弥陀如来、千手観世音菩薩、北条政子の木像が祀られている。

安養院にまつわる歴史
安養院の前身は良弁尊観が開山した浄土宗の善導寺であった。

高禄元年(1225)、源頼朝の妻北条政子は、夫の菩提を弔うため、笹目ケ谷に願行律師を開山とし、律宗の祗園山長楽寺を建立した。
ところが、政子は同年七月に死去し、長楽寺へ葬られることになった。

北条泰時は長楽寺の七堂伽藍を整備し、政子の法名「安養院殿如実妙観大禅尼」から寺の院号を安養院とした。

元弘3年(1333)、新田義貞の鎌倉攻めにより長楽寺は焼失してしまった。
善導寺も兵火で焼失し、その跡地に長楽寺と政子の墓を移し、寺を再興した。

宝篋印塔 北条政子の墓
政子の墓
に関しては、本堂裏側に政子の墓とされる宝篋印塔がある。
高さ1mほどのかわいらしい塔である。
(向って左側)

宝篋印塔は二基あって、もう一つは高さ3mほどの大きなもので、徳治3年(1308)の銘があり、鎌倉最古の宝篋印塔とされ、国指定重文になっている。


身代地蔵 身代地蔵尊
宝篋印塔の右手には、身代地蔵が横たわっている。
何とも愛らしい寝姿に、思わず頭を撫でてしまった。

さて、悲運は終わらず、延宝8年(1680)、町中からの火で全焼してしまった。

安養院近くの比企ケ谷に田代観音堂があった。安養院再建時に、この田代観音堂を安養院に移したことにより安養院は、田代観音とも呼ばれるようになったとのことである。

田代観音
札所本尊の田代観音(千手観世音菩薩)は、政子が父時政の反対を押し切って、この観音さまに願いをかけ、頼朝と結ばれたといわれる所以から、この観音さまは「良縁観音」と呼ばれ、縁結びの観音さまとして多くの信者を集めるようになった。

日限地蔵堂 日限地蔵尊
境内に日限地蔵が祀られているお堂がある。石像の地蔵尊像は南北朝時代ものといわれる。

お地蔵さんは、お堂に比べ大きい。しかも坐像である。立像は良く見かけるが、坐像は珍しい。
安養院のお地蔵さんは、坐ったり、寝ていたりでなかなか面白い。

このお地蔵さんに日を限って願をかけると、必ず叶えてくれるという。
それで、日限地蔵.....?
このお地蔵さんは、鎌倉二十四地蔵尊霊場 第24番の札所本尊である。

地蔵堂の脇に、いぬ槇の大樹がある。目通り3mで、鎌倉第三の大樹といわれ、鎌倉市の天然記念物に指定されている。



  Memo
  安養院朱印 坂東三十三朱印   創建 嘉禄元年(1225)
開基 北条政子
開山 田代信綱
拝観 8:00〜16:00
   最終受付 15:45
  拝観料:200円
   
鎌倉33観音
   坂東3番      
  納経所 山内右手にある建物に納経窓口がある。
昼休みの時間帯は不在で受付不可なので、訪問時間には要注意。
ツツジの開花時期は混雑するので、巡礼が目的ならこの時期は避けた方が賢明かも。
また、坂東三十三観音の札所でもあるので、団体の巡礼がある時は納経所が混雑する。


Map


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