諸國放浪紀鎌倉三十三観音霊場
第4番 海光山 長谷寺かいこうさん はせでら通称:長谷観音
正式名称
 
海光山 慈照院 長谷寺
宗派
浄土宗単立
本尊
 
十一面観世音菩薩
御真言
  おん まか きゃろにきゃ そわか
ご詠歌
 
長谷寺へ まいりて沖を ながむれば
  由比のみぎはに 立つは白波
他の霊場
 
坂東三十三観音霊場 第4番
所在地
 
鎌倉市長谷3-11-2
0467-22-6300
最寄駅
駐車場
門前に有料駐車場有り。
公式サイト
 
長谷寺
道のり
 
21番成就院 4番長谷寺23番高徳院
21番成就院からは、極楽寺切通しの道を長谷方面に向かい、T字路になった2つ目の信号を左へ曲がる。
長谷駅の踏切を渡り、長谷観音前の交差点を左に入れば突当りが長谷寺である。
約800m弱、15分程で到着する。
途中、御霊神社に立寄るならば、虚空蔵堂先の「夫婦饅頭 力餅家」の看板がある店の角を左に曲がれば、突当りが御霊神社。

参拝記

「長谷観音」の名で有名な長谷寺は、鎌倉大仏、鶴岡八幡宮と共に鎌倉の三大名所の一つである。

長谷観音のバス停がある交差点を長谷寺に向って歩くと、両側にみやげ物屋、民芸店、食堂などが建ち並び、ミニ門前町といった感じがする。

山門 山門
参道の突当りに赤い提灯を提げ、銅版葺の大屋根を付けた立派な山門がある。
「門かぶりの松」と称する松が横たわってる。

山門は通り抜けをさせておらず、拝観料を納め、山門左側の出入口から境内に入る。

境内は池や庭園を主体とした下境内と、観音堂など諸堂中心の上境内とに別れ、石段で行き来する。
入山口を入った先の下境内は、左に妙智池、右に放生池の2つの池が配され、その周囲を散策できる回遊式庭園となっている。
妙智池は6月にハナショウブが咲き、紫陽花と併せて多くの人で賑わいを見せている。

放生池
下境内の庭園
6月のハナショウブ

弁天窟 弁天窟
放生池に沿って弁天堂があり、弁天堂の裏手には弁天窟がある。

一方通行になった洞窟の中は薄暗い照明で、狭い通路もあり、怖がる女の子もいるが、意外と人もいるので案ずる事はない。

洞窟の壁面には弁財天、十六童子などが彫られている。

地蔵堂 地蔵堂
上境内への石段をのぼると、踊り場の部分に地蔵堂がある。地蔵堂への参道の右側には、小さな水子地蔵がぎっしり並んでいる。

突当りにある地蔵堂は、平成15年に再建されたお堂で新しさを感じる。堂内には石造の地蔵尊が安置されている。

地蔵堂前の石段をのぼり切ると、広い境内が開け、堂々としたコンクリート造りの観音堂が建っている。

鐘楼 鐘楼
石段をのぼってすぐ右に鐘楼がある。
現在の梵鐘は昭和59年に新鋳されたものだが、当初の梵鐘は、文永元年(1264)鋳造の銘を持つ鎌倉三大古鐘の一とされる古いもの。

国重文に指定されており、今は宝物館で見ることができる。


阿弥陀堂 阿弥陀堂
鐘楼の左側に阿弥陀堂を見る。
金箔を施した坐高2.8mの堂々とした阿弥陀如来坐像が祀られている。

現在、「鎌倉六阿弥陀」のひとつにもなっているこの阿弥陀如来は、源頼朝が42歳の厄除けを願って造仏したものらしい。

当初は、長谷村の誓願寺に安置されていたが、元禄初年(1688)頃、長谷寺に移されたと伝えられているとのことだ。

かきがら稲荷
鐘楼右の通路に赤い奉納幟が並んでいる。
その奥に鎮座するのが『かきがら稲荷』と呼ばれるお稲荷さん。

本尊の観音さまが海中を漂流していた際、その尊像にかきがらが付着し、長井浦へお導きしたという逸話が伝承されているという。


観音堂
観音堂長谷寺のメインは、何といっても『長谷観音』と呼ばれ、親しまれる十一面観世音菩薩像である。
入口には、「長谷観音」と刻まれた大きな扁額が掲げられている。

堂内に入ると、前面が外陣となっており、天井には紫陽花やユリなどの鮮やかな花が描かれている。

十一面観世音菩薩像は、奥の内陣に安置されている。
高さ9.18mの木造十一面観世音菩薩は台座を含めると11.9mもあり、巨大な像と、金箔の輝きに驚く。木造彫刻の観音像としてはわが国最大の像であるとのこと。

長谷観音は、一般の十一面観音とは異なり、右手に錫杖、左手に蓮華をさした華瓶を持っている様相で、大和長谷寺の本尊をはじめ、全国に所在する長谷寺に祀られる観音像に多く見られることから、長谷寺式の観音といわれている。

輪蔵 経蔵
境内の奥の方、ちょうどあじさい園の下辺りに経蔵が建っている。

経蔵の中には、輪蔵が収納されていて、経典がぎっしり納められている。

この輪蔵を一回転させると、経典を読むのと同じ功徳があるといわれる。





紫陽花そのあじさい園がこれ。
鎌倉でアジサイといえば、北鎌倉の明月院、極楽寺の成就院が有名だが、近年長谷寺が規模を増大して名乗りを上げている。
さすがに資金力の差か.....。
多客時には入場制限も起こるほど。



境内諸仏
境内にはお地蔵さんをはじめ多くの仏像が点在して安置されている。


見晴台
観音堂前の見晴台からは、長谷の街並み、由比ガ浜、三浦半島が一望できる。



長谷寺の歴史いついては余り目にする機会はなかったが、天平八年(736)創建と言われ、開山当初は真言宗で、大和国長谷寺に対して新長谷寺と呼ばれたとのことだ。

室町時代前半に繁栄をみたとされ、足利尊氏が康永元年(1342)に、十一面観音に金箔を施し、明徳3年(1392)には、義満が光背を造って納めているという。
江戸時代になり、慶長12年(1607)、徳川家康が再興し、光明寺の末寺となり、浄土宗に改宗した。
別当玉誉春宗が、中興の祖といわれている。


   
  長谷寺朱印 坂東三十三朱印
鎌倉33観音
坂東4番
本尊造立1300年
Memo
  創建 天平八年(736)
開基 藤原房前
開山 徳道上人
拝観 8:00〜17:00 (4〜6月) 閉山 17:30
  8:00〜16:30 (7〜3月) 閉山 17:00
  拝観料:400円
納経所  観音堂内
  坂東三十三観音の札所でもあるので、鎌倉三十三観音である旨告げる。
受付時間 8:00〜16:30 混雑時は手書き朱印なし(書置き)

Map


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