第17番 南向山 補陀洛寺なんこうざん ふだらくじ
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16番九品寺 17番補陀洛寺13番光明寺 16番九品寺からは、門前の小町大路を材木座海岸の方へ進み、道なりに左カーブした先に「萬屋酒店」がある。 酒屋の路地を左に入り、約90mほど歩くと補陀洛寺がある。約5分ほどの距離だが、途中、「村木薬局」の角を左に入れば近道になる。 |
小町大路が材木座海岸の近くで左に折れた先に、左へ入る道路がある。そこを90mほど行った所に補陀洛寺がある。
道路に対し斜めに敷石が延び、その先に道路に対し平行に本堂が建っている。参道だけが斜めになった感じである。
九品寺のような山門はなく石柱が山門となっている。
補陀洛寺は閑静な住宅街にある静かな佇まいの寺で、一見民家と間違えそうだが、反りのある屋根に流れ向拝が付けられた本堂は寺としての風格を保ち、民家に間違えることは無い。
砂利が敷きつめられ綺麗に整備された境内には、よく手入れされた庭木がまるで庭園のように配置されている。訪れたときも植木屋さんが松の剪定をしていた。
補陀洛寺の歴史について少々調べてみた。
補陀洛寺は、源頼朝が鎌倉に入った翌年の養和元年(1181)、頼朝の祈願所として文覚上人を開山にして建立されたと伝えられている。
境内には、『源頼朝公御祈願所補陀洛寺』の古い石標が立っている。
開山当初は、頼朝の庇護のもとで栄えたらしく、七堂伽藍を整えた大寺であったとのこと。
補陀洛寺は、度重なる火災等で伽藍を焼失した。
観応年間(1350〜51)に、頼供によって中興されたものの、江戸期には寺領は没収されてしまったとのことだ。
現在では、大正13年(1924)に再建された小さな本堂を残すのみである。
中興の頼供が祀ったといわれる札所本尊の『十一面観世音菩薩』が本堂に安置されている。
観光客の絶えない鎌倉の大寺院とは違い、参拝者も極めて少ない寺院ではあるが、静かな境内に心がなごむ。
創建 |
養和元年(1181) | |||
開基 | (伝)源頼朝 | |||
開山 | 文覚上人 | |||
納経所 | 本堂右側に納経所 | |||