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観音堂
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打出しは1番の長命寺から 西武池袋線 練馬高野台駅北口を出て左へ。 笹目通りを渡り、順天堂大学医学部付属 練馬病院の北側の道を行けば南大門(山門)がある。 練馬高野台駅は普通電車のみの停車駅。 渋谷・新木場からの直通電車もある。 大きな目標は、順天堂大練馬病院。 目白通りからは谷原交差点を高井戸方面へ、右折レーンがある。新青梅街道からは谷原方面に折れて直進。赤羽方面(環八)へは行かぬように。 |
東京都指定史跡の「奥の院」、寛文年間建立の仁王門、慶安3年鋳造の梵鐘。 |
東京23区内から市部へ、そして奥武蔵の山中へと巡っていく武蔵野三十三観音霊場の第1番札所は、練馬区の長命寺である。
長命寺は徳川三代将軍家光公より寺領九石五斗を受け、武蔵國有数の霊場として栄えてきた寺院で、現在は駅からも近く、観音霊場スタートの札所として相応しい古刹である。
最寄駅の練馬高野台駅は、平成6年12月に開業した新しい駅で、それまでは隣の石神井公園駅が最寄駅だった。
仁王門
駅を出て、順天堂大学医学部付属練馬病院の北側の道を行くと、右手に斎場である東高野会館が出てくる。
広い駐車場があるが、長命寺の駐車場は更に先の方だ。
斎場の駐車場奥に、何故か長命寺の仁王門がある。
通常、この門からは出入りしないと思う。
朱色の仁王像が安置されている入母屋造・八脚門の仁王門は、長命寺最古の建造物で、寛文年間(1661〜1673)に建立されたものという。
虹梁受肘木、蟇股の彫刻など見る価値はある。
南大門
駐車場から続く塀の先に南大門がある。
門の右側には、東高野山長命寺と刻まれた大きな石標が立っている。
南大門は三間一戸・切妻造の八脚門で、前後左右の袖に四天王が安置されている。
表には増長天・広目天、裏には多聞天・持国天の大きな像が立っている。白目だけが白く目立っている。
鐘楼
南大門をくぐると右手に鐘楼があり、周囲に十三仏が祀られている。
鐘楼に掛かる梵鐘は、練馬区で最古の梵鐘と聞く。
慶安3年(1650)に鋳造されたもので、 総高115cm、口径63.2cmと細身の梵鐘である。
仁王門と共に区の有形文化財に指定されている。
本堂
南大門から真直ぐに伸びた先にある、入母屋造りの大きな本堂には、不動明王が祀られている。
長命寺の歴史について調べてみると、
開創は慶弔18年(1613)、開山とされる後北条氏の一族である慶算阿闍梨(増島重明)が草庵を結び、弘法大師像を安置し連中庵と称したのが始まりとされている。
その志を継いで弟の重俊が観音堂を建立した。
寛永十七年(1640)大和国長谷寺の小池坊秀算が十一面観音像を本山から勧請し、谷原山妙楽院長命寺と号した。
十一面観音像は、右手に錫杖、左手に蓮華をさした水瓶を持つ長谷寺形式で、当初の仏像は火災で焼失したが、復興した像が本堂左手に建つ八角円堂の観音堂に安置されている。
長命寺の本尊であり、札所本尊でもある。
観音堂
観音堂は耐火コンクリート造りで、白い壁に朱色の柱が映える立派な観音堂で、梅の季節には観音堂脇の枝垂れ梅が綺麗である。
奥之院
観音堂左手一帯が奥之院となっている。
南大門を入って左側に2基の灯籠が建っているのが奥之院入口で、敷石の続く参道になっている。道は右に曲がり、ここから奥之院御影堂まで参道が真直ぐに延びている。
御廟橋という石橋を渡ると、両側には宝篋印塔、六地蔵、供養塔、灯篭が数多く建ち並んでいる。
宝形造に流れ向拝を付した御影堂の堂内には、慶算阿闍梨が高野山で感得した生御影の弘法大師像が安置されている。
弘法大師像は秘仏であるが、毎年4月21日に開帳される。
長命寺奥之院は高野山奥之院を模して造られたことから、東高野山という山号になったという。
地蔵堂
境内には地蔵堂もある。鐘楼のような屋根に覆われた六角堂で、輪蔵かと思ったら地蔵堂であった。
長命寺は、御府内八十八ヶ所、豊島八十八ヶ所の札所でもあり、専用納経帳以外の納経帳を使用の場合は、「武蔵野三十三観音」である旨を伝えましょう。
豊島八十八ヶ所を回る方は少ないですが....。
専用納経帳やガイドブックも販売しているので、1番からスタートするならここで揃えられます。
7月13日〜15日 孟蘭盆会 ,9月12日 大施餓鬼会