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8番圓乗院13番金乗院 札所8番圓乗院からは、武蔵大和駅へ戻り、西武多摩湖線で西武遊園地駅まで行き、レオライナー(西武山口線)に乗換え、西武球場前駅まで行く。 都道128号へ坂を下ってきて右折。そのまま道なりに走って、 道路標識に従って多摩湖方面へ右折する。 道は丘陵を上りT字路に突当るので右折し、多摩湖の堤防を越えた先の信号を左折。少し走ると右手に山口千手観世音の大きな看板が出てくる。 |
本堂に掛かる「高麗王の鐘」、奥の院五重塔。 |
西武狭山線の西武球場前駅から近い金乗院は、背後に東京都民の上水道用の貯水湖である周囲19kmの狭山湖(山口貯水池)があり、水と緑豊富な自然環境に囲まれた地にある。
古くから金乗院よりも山口観音と呼ばれているこの寺、解説書には、本尊は千手観世音菩薩で行基作、開基は行基とも弘法大師とも書かれているが、真実はどうだかよく分からない。
しかし、そういう話は余り似合わない雰囲気を持つ寺院である。
仁王門と霊馬堂
余り池という感じがしない弁天池の脇を通ると、仁王門がある。
貞治年間(1362〜68)に建立されたというからそうであろう。他の堂宇と比べると質素である。
仁王門を抜けると長い石段があり、上ると茶屋などが並ぶ道路に出る。本堂へは更に石段を上がるが、その手前に参道を挟んで手水舎と霊馬堂が建っている。
霊馬堂に伝わる謂れは、元弘3年(1333)新田義貞が鎌倉攻めの折、当寺に戦勝を祈願し、後に自らの愛馬を寄進したという事だそうだ。
現在は木造の白馬が祀ってあり、その後ろには多くの馬を彫刻した霊木や絵馬が置かれている。
本堂
銅板葺十間四面の大きな本堂は、宝暦年間(1751〜64)の再建といわれる建物である。右手軒下には高麗王の梵鐘と呼ばれる朝鮮の銅鐘が下げられている。
堂内には本尊の千手観世音菩薩と毘沙門天,不動明王,聖観音,二十五菩薩などの仏像が安置され、古い絵馬が数多く奉納されている。
本尊の千手観音は、三十三年に一度だけ開帳される秘仏だが、本堂裏にはいつでも拝観可能な平安時代後期の作といわれる裏観音が安置されている。
プレイグベル
本堂には「プレイグベル」というものが廻らされている。願い事を念じながらこれを回し本堂を周回する。
一般にマニ車と呼ばれ、チベット仏教で用いられる宗教用具である。
これを回す事により、お経を唱えたのと同じ功徳があるとされる。
輪蔵もそうだが、こういうのを見るとガンガン回したくなってカミさんに叱られてしまう。
異国風諸堂
本堂脇に中国の楼閣を思わせる七福神堂が建ち、武蔵野七福神の一つ布袋尊が祀られている。
七福神堂の中に小さなお宮があり、その周囲を七福神が外側を向いて取り囲んでる様子が面白い。
七福神堂の隣は、ぽっくり地蔵を祀る地蔵堂が建つ。
これらを囲むように塀がありその上には長い龍が横たわっているが、魔除けなのか何なのか、余り真言宗らしい雰囲気ではない気がする。
また、 仁王門脇を通る道路を隔てた山の中に閻魔堂が建っている。
その他にも広い境内の中に、鐘楼堂,勢至堂,大日堂などが点在している。
本堂裏で驚くのは、おびただしい数の水子供養地蔵尊。
斜面を覆うように並び、ビルマやタイから勧請した釈迦如来が安置されているという。
奥之院(五重塔千体観音堂)
それだけではない。裏の斜面を上がると狭山湖畔の道路に出るが、そこは奥之院と呼ばれ、八角五重塔が建っている。
千躰観音堂ということだが、中華街に建てた方が似合いそうな建物である。
五重塔下には塔をぐるっと回るように「仏国屈」というトンネルがあり、 中には四国八十八ヶ所の本尊が並んでいる。
山口観音のすぐ傍にメットライフドームがあるので、プロ野球試合開催日は、周辺道路がかなり渋滞するので要注意です。
しかし、電車はゲーム開催日用のダイヤで運行されるため、デーゲームなら便利な場合があります。
ところざわのゆり園
すぐ近所に「ところざわのゆり園」があり、開花時期の5月末〜7月中旬に有料公開されます。50種 45万株のゆりは見事です。
この時期に参拝なら、立寄ってゆりの鑑賞がお奨めです。
四季の彩香 ゆり園を観る