諸國放浪紀武蔵野三十三観音霊場
第21番 諏訪山 高正寺すわさん こうしょうじ
正式名称
諏訪山 萬齢院 高正寺
札所本尊
 
聖観世音菩薩
本尊
 
虚空蔵菩薩
宗派
 
曹洞宗
ご詠歌
 
金子氏は ホトケ子ならん 諏訪山に
   文化の花を 薫り咲かせて
御真言
 
おん あろりきゃ そわか
他の霊場
 
奥多摩新四国八十八ヶ所 第69番
所在地
 
埼玉県入間市仏子1511
04-2932-0954
最寄駅
道のり
 
20番龍圓寺21番高正寺

札所20番龍圓寺からは、参道前の道を左へ暫く道なりに進む。
飯能/仏子駅を示す案内標識の真下を左へ分岐する。暫く道なりに進み、道が右急カーブする辺りに直進する細い路地がある。車は通れない狭い道だが、かまわず進めば左手に高正寺の参道が見えてくる。
徒歩約27分、ここは歩くしかない。
仏子駅方向への交通は、1日4便のコミュニティバスがあるが、時間が合えばラッキー。
  ※市内循環バスてぃーろーど北コース 金子病院入口〜高正寺入口間(約12分)を利用する。

参道前の道を左へ道なりに走ると、左手に二階建ての駐車場がある交差点に出る(前方は一方通行の出口)。左折して注意深く走ると、補助信号機の手前、左右に確認用のミラーが立つ路地を左に入る。
狭い道だが突当りが高正寺。
見どころ
 
十六羅漢像、入間市最大級の板碑。
参拝メモ

車の往来が多い道路から狭い路を入って行くと、加治丘陵の北側斜面に樹木に覆われた高正寺が見えてくる。 道は上り勾配になり、小さな橋を渡ると白壁に囲まれた境内へと誘われる。
道の両側から六地蔵が迎え入れてくれる。

歴史的な話
高正寺は、鎌倉時代初期の建保年間(1213〜18)に金子余市近範よって開創された古刹である。
近範は、武蔵七党の村山党に属し、加治丘陵で製鉄業を営む豪族であったそうだ。
諏訪山萬齢院高正寺という寺号は、近範の戒名が高正寺殿関叟常鉄大居士であったこと、守護神を諏訪神としていたことに由来しているらしい。
当初は真言宗の寺院で萬齢院と公称していたが、大永年間(1521〜28)に菊陰瑞潭和尚が中興して曹洞宗に改宗、高正寺と公称するようになったそうだ。

総門・鐘楼門
総門小川を渡った先に建つ総門は、切妻造、瓦葺の薬医門で、組物や垂木の切断面が白塗されている。
両サイドは透かし塀になっており、手前に立つ石燈籠と共になかなか風情のある情景を演出している。

正面には、山号「諏訪山」の扁額が掛かっている。
まだまだ、古さを感じない門である。

総門を抜けると、石垣に挟まれた参道が続いており、石垣の上には、よく手入れされたツツジが植栽されている。
参道花の咲く時期に訪れてみたい。
参道は、舗装路ではなく、砂利が敷詰められてあるのも情緒があってよい。

その先には緩やかな石段があって、上り切ったところに鐘楼門の山門が建っている。

入母屋造、瓦葺の大きなどっしりとした屋根を載せている。
建屋の割には小振りの梵鐘が吊るされている上層は、吹放しになっているので、やぐらの上に鐘楼を乗せた様なイメージに思える。なんだか、盆踊りのやぐらに見えてしょうがない。

参道側から
本堂側から

高欄が朱に塗られているのが目立つ。
総門と同様に垂木の先端や組物の切断面が白塗されている。これって、デザインを統一しているのか?

十六羅漢像
鐘楼門に上る石段の途中、両側に表情豊かな十六羅漢像が並べられている。一つ一つ見ていくのも面白い。


本堂
鐘楼門をくぐると、本堂まで舗装された参道が続いており、その両側は白い小石が敷詰められている。
山を背にして建つ本堂は、入母屋造の大きな建物で、向拝は付いておらず、すっきりしたイメージになっている。

19番東光寺と同じ様に、正面の扉が左寄りに建て付けてあり、扉の上には「満願殿」の扁額が掛かっている。
扉の両脇にある花頭窓が、禅宗仕様の雰囲気を演出している。
その花頭窓の手前には小さな灯籠が一対立っている。
いわゆる「賽銭箱」は設置されておらず、「浄財」と書かれた小さな箱が香炉の脇に立っているだけである。

本堂には、近範の念持仏といわれる秘仏の虚空蔵菩薩が厨子に入れられ安置されている。その前立ち仏として安置されているのが札所本尊の聖観世音菩薩立像である。
通常、観音像は、蓮華の蕾を持っているが、この聖観音は開いた蓮華を持っている。このような形の観音像は、飛鳥時代に多く見ることができると聞いた。

招福殿
招福殿本堂の左側、少し高い所に建つアイボリー色の六角堂は、招福殿と名付けられた大黒天を祀るお堂である。
4月29日には大黒天御開帳法要が営まれる。

招福殿の周囲にはツツジ,サツキが植栽されており、御開帳法要の頃は美しい光景が見られると思う。


市文化財の板碑
板碑招福殿から下ってきた所に、ブロックで囲まれて板碑が5基保存されている。

説明書によると、内2基が入間市の文化財に指定されており、右から2番目の板碑は全長255cm、幅67cm、厚さ7cmで、市内最大の大きさだという。
右から4番目の板碑は、全長224.5cm、幅55cm、厚さ12cmで、建長2年(1250)7月29日と紀年銘が残っているものとしては、市内最古の板碑であるという。

境内の地蔵たち
前述した総門前の6×2+3体の地蔵尊の他、総門を入って左に子育て地蔵が、墓地手前に延命地蔵が安置されている。

延命地蔵
子育て地蔵


高正寺朱印

循環バスてぃーろーどは、上り・市役所行を利用する。但し、1日3便しか運行されないが、その内納経ができる時間帯は2本しかない。また、祝祭日・振替休日以外の月曜日は運休。
でも、コミュニティバスって結構楽しい。

主要行事
4月29日 大黒天ご開帳法要。


Map


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