諸國放浪紀紅葉を求めて−昇仙峡・本谷川渓谷
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日本の特別名勝に指定されている昇仙峡と、その北、長野県に近い北杜市の本谷川渓谷を訪れました。

訪れる観光客の多い昇仙峡と、対照的に観光客の少ない本谷川渓谷ですが、それぞれに独特の魅力を有しています。特に本谷川渓谷の入口部分にある増富温泉はラジウム温泉で有名です。




昇仙峡


ルート概要
@昇仙峡の入口とも言える「長潭橋(ながとろばし)」をスタートとし、交通規制のある渓谷道路を走り、トテ馬車の終点を更に奥へ進み、車で行ける最終地点にある金鶏館に駐車。
A遊歩道を仙娥滝まで行って折り返す。
B金鶏館の駐車場から再び分岐点まで戻り、昇仙峡ラインを北へ走る。
途中、金櫻神社に立寄って、昇仙峡ラインを更に進む。
C韮崎ICから須玉ICまで中央自動車道を走行し、通称ラジウムラインを走ってみずがき湖へ。

C韮崎ICから須玉ICまで中央自動車道を走行し、通称ラジウムラインを走ってみずがき湖へ。

Dみずがき湖から塩川トンネルを抜け、通仙峡入口を経由して宿泊地の増富温泉へ。

E翌日は本谷川渓谷を散策し、河口湖へ。

 長潭橋から増富温泉までのルートマップ
Mapion
 

電車・バスの場合
中央本線甲府
   山梨交通バス 昇仙峡方面行きにて約30分 昇仙峡口下車。(600円) … 長潭橋付近
または、約40分のグリーンライン昇仙峡下車。(840円) … 能泉(トテ馬車終点付近)

自動車の場合
中央自動車道 甲府昭和IC  昇仙峡ラインで約30〜40分。
渓谷沿道路交通規制 5月1日〜11月30日 9:00〜17:00 平日上り方向の一方通行,土日祝は歩行者専用。
※ 覚円峰「夢の松島」周辺に落石発生のため通行止め。

 
 
   
     
     
   
昇仙峡
 
遊歩道散策
車で行ける所まで行って、そこから歩きます。
トテ馬車の発着場の先は道が狭く、不安にもなりますが、歩行者の皆さんに頭を下げつつ進んで行くと、突き当りが金鶏館の駐車場。

3ナンバーのミニバンだったので、店のご主人が出易いようにとバックで石段脇へ誘導してくれました。

首都高の永福ランプからノンストップで走ったので、金鶏館で休憩&軽食。
覚円峰を眺めながらのコーヒーは旨い。

金鶏館の先から本格的な遊歩道になっており、奇景石門・昇仙橋・仙娥滝と歩き、紅葉を堪能しました。
 
 
 
 
覚円峰 (かくえんぼう)
昇仙峡のシンボルともいえる覚円峰を、金鶏館の 店先から眺めてみました。

伝承では、僧覚円が頂上で修行したということですが、そういう事にしておきましょう。

薄っすら色づいてはいますが、下の方ほどではありません。
 
 
 
遊歩道を一歩入ると、カエデの紅葉が紅の屋根を作っています。
 
       
遊歩道は次第に上り勾配がきつくなり、九十九折りに紅葉の中を進んで行きます。

少しく歩くと、東屋が現れてきました。
この辺り一帯はカエデの紅葉が素晴らしく、しばし腰を下ろして鑑賞です。
 
 
   
   
石 門
一休みしたので、再び遊歩道を登って行きます。
相変わらずの上り勾配。

しばしカエデの紅葉とはお別れ....と思ったら目の前に巨大な岩が。
ここが昇仙峡の奇景ポイント「石門」なんだそうだ。

上から垂れ下がる大きな花崗岩。左側の岩とはくっついておらず僅かな隙間が。
石門を抜けると坂が急になって、しばし登ると昇仙橋が見えてきました。
 

昇仙橋の上から下流を眺めると、切立った崖の上に覚円峰が望めます。

昇仙橋の先で遊歩道の上にオーバーハングした崖を抜ける箇所があります。会津の塔のへつりのような感じです。


 
仙娥滝
今日の目的地である「仙娥滝」に着きました。
ここは、滝上から遊歩道を降りてくる人もかなりいるので、結構混んでいます。

滝壺に虹が架かって美しい光景です。
紅葉が少し早いのがちょっと残念です。

ここから再び来た道を戻ります。この遊歩道は仙娥滝より下流側の方が景観は素晴らしいです。

   
昇仙峡から増富へ
遊歩道の散策を終え、金鶏館の駐車場からトテ馬車発着場まで戻るのですが、かなり歩行者が増えてきたので慎重に車を進めます。

仙娥滝へ向う人から、「駐車場あるんですか?」と尋ねられる。皆さんは県営駐車場に駐車したらしい。
その県営駐車場付近で覚円峰を眺めてみる。
やはり、下から眺めるのとは違って迫力はいまいち。

ここからグリーンラインを北へ。 途中、金櫻神社へ立寄って参拝。

   
金櫻神社
金櫻神社は、幕末までは蔵王権現と呼ばれ、金峰山信仰の中心となる山岳信仰の神社です。
金峰山をご神体とし、山頂に本宮があり、ここは里宮になっている。

三峯神社や武蔵御嶽神社を中心にニホンオオカミを眷属とする眷属信仰が興隆するが、金櫻神社も狼信仰の神社として知られ、現在でも狼札を配布しているといいます。

旧社殿は、鎌倉時代の建築で国指定重文だったが、昭和30年(1955)の火災ですべてが焼失。現在の朱塗社殿は昭和期に再建された建物だそうです。

   
 
ご祭神は
少名彦命・大己貴命・須佐之男命・日本武尊・櫛稲田媛命。

旧社格は県社で、式内社論社です。
金峰山の本宮以外の里宮と称している金桜神社は山梨に4社は存在している。

境内のカエデが緑から紅に紅葉が進んでいて、そのグラデーションが綺麗だった。

金櫻神社から昇仙峡ラインを通って韮崎ICへ向かいます。
昇仙峡からはクリスタルラインを使って増富へ抜けることも出来ますが、ほとんどが林道なので、韮崎経由の方が時間短縮になります。
 
昇仙峡に便利な宿      
         
       


本谷川渓谷
 
本谷川渓谷は余り知られてない渓谷ですが、観光客が少ないところがかえって良いです。

須玉ICから通称増富ラジウムラインを通って、本谷川渓谷入口の増富へ行きます。
本日の宿泊はラジウム温泉の金泉閣に泊まります。

増富に向う途中、みずがき湖に立寄って、湖周辺の紅葉も楽しみました。
 
 
みずがき湖
  須玉ICから増富ラジウムラインを北上してくると、みずがき湖に突当ります。

みずがき湖は、山梨県が富士川水系塩川に建設した塩川ダムによってできたダム湖です。

みずがき湖を一望できる景勝地にはみずがき湖ビジターセンターがあり、物産販売所・地域の観光案内やレストランなどの施設があります。
ビジターセンターは、紅葉の時期しか立ち入れない通仙峡への拠点になっているので、この時期は訪れる人が多いです。
 
みずがき湖
 
 
 
湖周辺の山は赤茶色に紅葉が進んでいます。

右写真に見えるスマートなアーチ橋は、県道610号がみずがき湖を渡る鹿鳴橋大橋です。
橋長200m、幅員7m右上がりに傾斜しています。
橋桁とアーチ部分のみ白色に塗色し、他の部分を目立たない色にしている為、スッキリした感じに見えます。

因みに上写真に見える橋は、みずがき湖東岸の道路に架かる増富大橋で、本谷川流入部を渡っています。

みずがき湖ビジターセンター周辺にも紅葉が観られるので、休憩を兼ねて鑑賞しました。
 
 
   

増富温泉

 
みずがき湖を後に塩川トンネルを抜け、県道23号韮崎増富線を上って行きます。

塩川トンネルを抜けたところが、通仙峡の入口で、約1kmほどが期間限定で開放されています。
駐車場がないので、みずがき湖ビジターセンターに駐車し、塩川トンネルを徒歩で抜けてこなければなりません。
今回はパスです。

今回宿泊した増富温泉へは10分もかからず到着です。

朝東京を出発、昇仙峡を散策し、昼食に名物のほうとうをいただき、増富の旅館に到着したのが15時過ぎ。
これからラジウム温泉を堪能します。
 
 
 
 
 
ラジウム温泉
ラジウム温泉は、ラドン,トロン元素を一定量含む温泉です。
ラドンは、イオン化作用が強く水に溶ける安定した気体です。また、トロンもトリウム元素が放出するエネルギーです。これら元素の相乗効果で、人体の組織内に吸収されることによりイオン化作用を起こし新陳代謝を促され良い効果をもたらします。
 
ラドン温泉は、温度が30℃前後で、大体温水プールほどの温度しかありません。
温泉と思っていきなり入ったらびっくりします。
旅館の浴場には、ラドンの浴槽と普通のお風呂が備えてあります。
ラドン浴槽に10分ほど浸かって、暖かい浴槽へといった入浴を行います。
 
         
 
     
 
お世話になった旅館  金泉閣
     
 
 
この地域におけるその他の宿泊施設については、
北杜市観光協会
のホームページから検索してください。
 
       
本谷川渓谷

 
翌朝、旅館を早目にチェックアウトし、本谷川渓谷に向かいました。

昇仙峡に比べ、紅葉はかなり進んでいます。
落葉し始めている箇所もあります。本谷川渓谷はカエデなどは少なく、カラマツ,ナラ,シラカバといった類の樹木が多いので、全体的に茶系統の色に染まっています。

道路は舗装されていますが、1.5車線程度で、すれ違いには要注意です。この時間すれ違うほど車は走っていませんが.....。

紅葉の見どころは、増富温泉からみずがき山リーゼンヒュッテまで約3kmの渓流沿いです。
   
 
 

道端に「翁滝」という看板が立っていました。
道路上から滝は確認できません。 藪の中に入っていくと何とか全容が確認できます。

後で分かったことですが、本谷川渓谷には4本の滝があるそうです。
怒滝,おろち滝,雁音滝、そしてこの翁滝。
でも、翁滝以外は渓流漠で、滝というイメージではなさそうです。

本谷川渓谷は、奥入瀬渓流に比べたら水量も少なく、大規模な渓谷ではありませんが、それなりの美しさはあります。

 
 
少し行くと、渓流沿いに大量の落葉が堆積した平場がありました。
 
 

 
 
 
また、少し行くと流れが穏やかな所にでました。橋の上から渓流を鑑賞です。
 
 
   
 
渓流沿いの樹々は全体が茶褐色に染まり、太陽に反射して黄金色に輝いています。
 
 
   
 
みずがき山リーゼンヒュッテ付近に来ました。
昇仙峡の紅葉はピーク前だったのが、この辺りはピークを過ぎ、かなり落葉が目立ちます。
本谷川渓谷の紅葉鑑賞スポットはこの辺りまでかと思います。

この道は瑞牆山へと延びています。また、クリスタルラインにつながり昇仙峡へ、或いは途中で分岐すれば国道140号に出て、雁坂トンネルを抜けて秩父市へと通じています。

本谷川渓谷は、「金峰山・瑞牆山源流」として平成20年「平成の名水百選」に認定されています。
   
 
   
         
       



 
     
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