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28番金地院 21番増上寺 28番金地院からは、徒歩で約6分。東京タワーを右に見て坂を下り、東京タワー前交差点で道路を横断する。道路を渡った右側はもう増上寺の境内。 左手の東京プリンスホテルと増上寺の間の道を、東京タワーを背にして少し歩くと境内へ入れる開口部がある。 三門から入りたいのなら、そのまま柵に沿って進めばよい。 |
増上寺は、明徳4年(1393)浄土宗第八祖聖聡上人の開基により開かれた寺院で、開山当初は現在の千代田区平河町付近にあったが、徳川家康公の帰依を受け日比谷に移転した後、慶長3年(1598)江戸城の拡張に伴い現在地に移った。
江戸時代、徳川家の菩提寺として隆盛を極め、関東十八壇林の主座をつとめるなど、京都・知恩院に並ぶ位置を占めていたという、都内でトップレベルの古刹である。
大門
浜松町駅北口付近から延びていた参道に建つ総門で、現在でもその名残でコンクリート造りの門が建っている。
駅名や地名にも大門の名は残っている。
東京でタクシーに”芝大門”と告げれば、ここに連れてきてくれるほど有名である。
三門
大門から更に参道を進むと、大きな朱漆塗の門が出てくる。
門が大きいので、大門と誤解する人がいるが、こちらは三門である。三門は正式名称を三解脱門と言って、三つの煩悩を解脱するのだそうだ。
五間三戸の入母屋造り楼門は、国の重要文化財に指定されている。
上層には釈迦三尊像と十六羅漢像が安置されているらしい。
大殿 (写真最上部)
昭和49年(1974)に再建した本堂・根本道場などの機能を有する堂宇で、本尊の阿弥陀如来と宗祖法然上人などが安置されている。
安国殿
大殿の右に建つ安国殿は、家康公が深く尊崇したという恵心僧都作と伝わる秘仏黒本尊を祀る。
黒本尊は阿弥陀如来像で、厄除・勝運のご利益があるとして、多くの参詣客を集めている。
納経印はこの中でいただく。
観音堂
札所本尊の西向聖観音を祀るお堂で、本尊阿弥陀如来は東向きなのに対し、この観音様は西向きに立っておられる。
小さなお堂ではあるが、屋根などはどっしりとした建物である。
この辺りには、他にも観音像が立っていたり、かざぐるまを携えたたくさんの子供地蔵が並んでいる。
徳川家霊廟
安国殿の後ろには徳川将軍家の墓所がある。
固く閉ざされた 「鋳抜門」 と呼ばれる門があり、中を窺い知ることはできない。
年に7回ほど公開される日がある。
廟所には、15人の将軍の内、二代将軍秀忠公をはじめとする6人の将軍の墓が設けられている。
四菩薩像
徳川家霊廟前に4体の菩薩像が立っている。
普賢・地蔵・虚空蔵・弥勒の四菩薩である。正嘉2年(1258)の作であると看板に記されてあった。
元々は境内奥の地蔵山に安置されていた像を移したのだそうだ。
鐘楼堂
三門を入って右側に建つ鐘楼堂は、戦後に再建された堂であるが、建立当初の堂は寛永3年(1633)のものだったそうだ。
鐘楼堂に下がる梵鐘は、延宝元年(1673)に鋳造された重量約15tの大梵鐘である。
寛永寺・浅草寺とともに、江戸三大梵鐘の一つに数えられる梵鐘だという。
元旦の0時から一般の人も鐘を突けるとの事だが、12月1日に整理券が配られ、1人2,000円だそうだ。
28番金地院と同様、境内からは東京タワーが眺められる。
東京スカイツリーにその高さを越されても、安定感のある美しいフォルムはいつまでも東京のシンボルであり続けると思う。
大殿の堂内から回廊へ出ると、全容に近い形でタワーが見える。
この位置で見るのが、高層ビルなどが一緒に写り込んでこないので、タワーが単独で見られ、美しいと感じる。
夏は太陽がもう少し北側に沈むので、夕陽に浮かぶ美しいシルエットを望むことができる。
江戸33観音 |
本尊朱印 |
黒本尊 |
創建 |
明徳四年 (1393) | |
開基 | 聖聰上人 | |
拝観 | 5:00〜17:30 | |
納経所 | 安国殿内授与所 受付9:00〜17:00 | |